去年末。90年代にDJをかましてた方や、クラブ遊びに勤しんでいた方なら誰でも知っている日本の重要メーカーが潰れてしまいました・・・
Vestax(ベスタックス)。DJ仕様のミキサーやヘッドフォンなどで世界的に有名になった、メーカーです。アナログ(ヴァイナル)DJ全盛期のイメージのためか、データDJの時代に入っていき、少しづつ影が薄くなってきてしまい、遂に・・・という感じでしょうか。
そんなVestaxの最後(と言っちゃいます)のヒット製品が、この Handy tracks USB。アナログレコードをPCにデータで取り込めるという便利であり、アナログ派としては少し寂しい用途の製品。
さすがは、Vestax!これ、電池駆動OKなんです。つまり、モバイルできるレコードプレーヤー。レコードをかけることができるiPod(これも既に同じ会社の多機能電話にお株を奪われていますが)。レコードのウオークマン(以下・・・略・・・)状態です。
レコードプレーヤーにUSB出力。レコードプレーヤーに見慣れた昭和人間としては、かなり不思議な図。
LINE IN/OUT、ヘッドフォンアウトプットなどあって欲しい基本的なコトはちゃんと装備してくれてるのはさすがのVestax。最近流行のこういったローコストの所謂てんとう虫プレーヤー(昭和)にありがちないーかげんなツクリではありませぬ。
DJミキサーも定評あった Vestax だけあって、フロントのこうしたあたりも、殊の外やる気にさせてくれるデザイン。つか、音量のフェーダーが、DJミキサーっぽくなってるあたり、だいぶかわいくないすか?ツマミとフェーダーのデザインって最重要事項だと思います。どうしても、ピッチは怪しげなので自分で微調整しましょう。
んで、販売されると、みんな「PCへの取り込み」目的ではなく、モバイルプレーヤーとして、あるいはちょっとだけレコードってやつを聴いてみたい層に人気が出ちゃったんですね。特に海外なんかでは、中古レコード蚤の市なんかで「その場でレコード盤質をチェックできる超使えるガジェット」として人気があるとのこと(Vestaxオフィシャルサイトより引用)。
実際に、GoogleプラスでTokyoMacスタッフがせっせと書き込んでるアナログレコード自慢チャンネルでも、レコードよりもこのプレーヤーに食いつく海外の方、異様に多し。さすが世界のVestax。
メインマシンであるテクニクスとは別に、7インチシングルのレコードを風呂あがりやセックスのあと等(!)にパッとかける、みたいな使い方で愉しめる。コレに音質どうのこうの言うのは野暮中のヤボってなもんです。スピーカーはご想像通りの低音も高音もハイファイもハイレゾもへったくれもないアノ音。でも、それでいい・・・いや、それがいい(井之頭五郎)。どうしても本気使いしたい方は外部スピーカーでどうぞ。
話はそれますが、基本据置型の内蔵スピーカー付きローコストのアナログプレーヤーを本気で探してる方は、売れてるシャレオツエコデザイン風のコレが意外にも良いらしいです。確かに音が殊の外しっかり出ます。
現存ヴァイナルDJ諸氏ご用達の「Library Records」(東京都杉並区)のカリスマスタッフさんが言うので間違いないでしょう。断げっちゃいましょう。ショップのイベント、フェスへの出張販売時にも大活躍とのこと。(動画撮影:Library Records店内にて)
写真は、TokyoMac編集部Wくんの私物、もう15年使い倒している Vestax の DJバッグ。コレもド定番。破れなどまったくナシの超ハードな逸品。お世話になりました。なった方、多いかと。Vestaxさんには本当にお礼を言いたい。ありがとうございました。ラストのヒット製品が「レコードをデータに引き継ぐためのマシン」だというのが泣けてきます。感動です。
そんな思いが伝わったかなんだかで、とにかくネット内では大高値大会開催中!10,000円くらいだったものが、Amazonで今や新品5万円代!!中古でも高め更新中!!もう、生産されない逸品となってしまった今、これは仕方がない現象なのでしょう。買っとくかどうかはあなた次第。ここに来てじわっと人気再燃中のアナログ・レコードに賭けてみるのはあなた次第・・・・・・定額制配信か!?アナログレコードか!?さらに密かに沸々と復活中のカセットか!?
「なんで若い人たちって、ヴァイナルって言うの?レコードでいいじゃない」(田中康夫氏・談)